以前、このブログでも触れましたが、紙の書籍のお金の流れは少し特殊です。
本を出版したからといって、その売上金がすぐに出版社に入金されるわけではありません。書店の数は1万4000軒もありますし、売上の回収サイクルにはタイムラグが生じます。
ところが著者への印税や原稿料、紙代や印刷代など製造原価にかかわるお金は納品後なるべく早く支払わなければなりません。
そこで、出版社と書店の間に入る取次会社が、一旦発行部数分だけ「完売した」と仮定して全額を払うのです。その仮の売上金を使って、各支払いを済ませたり、次回作の準備に使ったりします。その後実際の売上に応じて、お金のやり取りが行われます。
これを「取次の金融機能」といいます。
出版はこのようなお金の流れを商習慣として成り立っている業界です。
ところが電子書籍にはこの仕組みがありません。
電子の場合は、書店で売れた後に、実際の売上金額だけが出版社にお金が支払われる仕組みとなっています。
今の電子書籍は紙の書籍ほどの売上がありませんから、出版社にとっては「お金にならない」「儲からない」「よくわからない」事業となってしまっています。
実は当社では紙の書籍における「金融機能」を電子書籍において担うサービスを開始する予定でいます。
電子書店での販売が始まれば、実際の売上とは関係なく、一定の金額を出版社側に支払う仕組みです。
サービスの詳細は今、スタッフ、専門家とともに詰めているところです。
サービスリリース時には当サイトでもご案内します。
ご注目いただけると嬉しいです。