Column & interview

コラム

BC号航海日誌26 AIエンジン始動

昨年11月から準備を進めていた当社のAIプロジェクトがようやく始動しました。

今、新聞やテレビ、ウェブニュースでもAIという単語を見ない日はありません。「人間の仕事を奪う」という懸念を強調する人もいますが、産業革命がおこった200年前から、技術は人に仕事を作り、また奪っていったのです。人工知能もそんな最新技術のひとつだと受け止めています。

私が人工知能とその研究者に驚いた事実が2つあります。ひとつは東京大学の松尾教授のインタビュー。ご本人のことではないのですが、研究者仲間がどうして人工知能研究を始めたかを語っているのですが、その理由に驚きました。

「僕は『人間ってなんだろう』という興味から人工知能の研究を始めたと言ったら、友人の場合は、もともと物理学を専攻していて、物理学の進展の速度を見てると、自分が生きている間に宇宙を理解できるとは思えなかったそうです。それだったら、人工知能を作って、それに宇宙のことを考えてもらった方が早いのではないか、と考えるようになったんだとか。シンギュラリティを起こして、宇宙論を作った方がいい、という意見でした」(『人工知能、ロボット、人の心』湯川鶴章)。

もうひとつは、将棋用人工知能の指し手です。将棋をご存知のない方にはわかりづらいかもしれませんが、人工知能「ponanza」の先手番初手でした。5八玉という、将棋400年の歴史を覆す一手を放ったのです。

当社のAIエンジンは、今、物語を理解できるかどうかのテストを始めました。こちらも驚きの結果が出ましたが、まだ始まったばかり。

彼の「学習」の成果に期待したいと思います。

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