Column & interview

コラム

BC号航海日誌28 電子書籍事業50社ヒヤリング

この数か月の間に、出版社様向けに有識者セミナーを3回実施し、のべ50社以上の方にお越しいただきました。また、個別にアポイントをとって大手から小規模まで出版社様に伺い、こちらものべ50社以上からヒヤリングを重ねてまいりました。

 今回はそこで収集した生の声をもとに、今後の出版社における電子書籍の取組みについて情報共有をさせていただくため、簡単なレポートを作成しました。

<出版物流は崩壊の危機>

業界紙「新文化」(4月26日付)や「文化通信」(5月21日付)では大手取次のトーハン、日販トップの生々しい発言を紹介しています。

「出版業界は未曽有の事態が起こりつつある」(トーハン・藤井武彦社長)
「取次業は崩壊の危機にある」(日販・平林彰社長)

日本経済新聞の6月2日の記事では、日販の平林彰社長は「雑誌に依存した取次業は誇張ではなく崩壊の危機にある。書籍は30年以上赤字が続き、事業として成立していない」と発言したとされています。

ところが、爆発的な成長はなかったものの、電子書籍はいまだに年率10%以上の高い伸び率を示しています。

<出版社様の課題>

50社以上の出版社で伺ったのは、以下の2つに尽きます。

「どんなに努力して本を作っても、以前のように売れない」

「このままではさらにジリ貧になってしまうが、どうしたらいいか具体策がわからない」

一体なにが原因でこのようになってしまったのか、
何が変わったのでしょうか?

今さら言うまでもありませんが、紙の読者が激減したのです。
つまりは市場の大変化が起こったのです。

出版社が今後も生き残るためには、変化した市場にどう適合できるか、にかかっています。
既存の枠組みの中で、流通の制度や正味などにこだわっていると、取り残される危険があります。

もし紙の書籍流通が崩壊してしまった場合、自社には何が残り、どんな競争優位性があるのかを今のうちに徹底的に洗い出してみることが重要です。そして自社だけにしかない「強み」を徹底的に磨き込むことが必要だと考えます。

<では、何をすればいいのか?>

まず初めにやるべきことは既存のプリントメディアの売上減を最小限に抑えることです。この手当をしながらリードタイムを稼ぎます。

同時にコンテンツのデジタルシフトを進めます。紙出版の流通しかなかったものを、インターネットの付け替えていくというプロセスです。電子書籍はそのひとつの手段でしかありません。(マンガはこの作業を数年で急速に進めました)

さらに主力コンテンツの隣接産業への横展開を考えます。具体的にはウェブメディア、ウェブコンテンツ、キャラクター、グッズ、ゲーム、映画、テレビ、舞台、講演、セミナー、イベント、会員ビジネス、文化人・作家のマネジメントetc. 貴社の強みが最も発揮されるジャンルにフォーカスします。

◇参考◇数値が公表されている集英社の場合で横展開=新規事業を見てみます。
1996年売上高1700億円⇒2017年1200億円へと減少。
しかし紙の出版物だけでみると 1700億円⇒850億円と半減しました。特に雑誌は3分の1に激減。
2017年の紙以外の売上350億円の内訳は電子書籍のほか、ネット広告、EC事業、キャラクター、イベント、映画化・アニメ化ほか版権事業、海外事業。20年かけてこれらを育成してきましたが、紙の落ち込みを補えるまでには至っていません。ただ、プリントメディアだけにとどまっていたら、350億円という数字もありませんでした。

<電子書籍とどう取り組むか?>

出版社のヒヤリングで聞かれた課題は2つ。

1)電子書籍はまだまだ紙の売上を補うほどの売上が望めない
2)担当者がおらず、またいたとしても他業務との兼務にならざるを得ず多忙を極める

実際、電子書籍の売上は、
紙出版の1/10~1/100の中に留まります。決して多くはありません。

多くの出版社の本音は、たいして売上も上がらない中、担当者を新たに決めて業務をするのは投資対効果が見合わない、と考えています。そんな中で仕事をしなければならない電子書籍担当者様は大変辛い立場にいることが少なくありません。

当社のリフロー型電子書籍制作費は基本料金2万8000円です。
1000円の作品で正味50%とすると56DLを売り上げれば、とりあえず制作費分の原価は賄えます。

電子書籍は増刷や在庫管理の必要はないので、56DL以降の売上は不労所得と考えることもできます。ストアに置いておけば、あとは売上管理だけすればいいのです。

現状では、大きな売上にはならなくとも、不労所得としての電子書籍に取り組むことは決してムダではありません。

また、作品のデジタルシフトを進める中で、現状では唯一、課金モデルとして成立するのが電子書籍なのです。電子書籍ビジネスのノウハウを蓄積することで、次の展開への足掛かりにすることができます。

当社では、
① 電子書籍制作
② 電子書籍事業を行うための効率的な業務フローとシステムのご提案
③ 56DL以上売り上げるための販売支援のご提案
をさせていただきます。

この機会にぜひご検討ください。

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