Column & interview

コラム

BC号航海日誌41『AIによる書籍のリコメンドの可能性』

 AI事業を始めたきっかけについて書いています。

 校閲AIと同時に考えていたのが、独自の書籍リコメンドAIです。
 Amazonなどでは大分以前からAIを活用したリコメンド機能を搭載しています。ただし、これは同ショップ内での購買データをもとに計算しているだけです。
 しかし、ユーザ―はAmazonだけなく、楽天Booksでも、紀伊國屋でも電子書籍を買っています。リアル書店でも多くの本を購入しているはずですので、どこか1店舗のデータにもとづくリコメンドだけでは十分な満足感を味わえないはずです。

 特に電子書籍はネット通販と同じで、デジタルデバイス上でしか購入ができせん。リアル書店のように、買い回りをしながら、偶然の発見をするということがないのです。それも電子書籍がいまひとつ普及しない原因だと考えていました。
 
 それを自宅の本棚の画像をAIが解析し、ユーザの読書傾向を分析。そのデータに基づいてリコメンドすれば、かなり確度の高い「おすすめ」ができるのでは、と考えました。
 
 ところが上のような考え方ではまだ甘く、たまたまある会合でお会いした人工知能学者に指摘されました。
「どうして本しかレコメンドされないんですか? 本だけでなく、その本に合うワインなどもレコメンドされればもっとユーザはそのサービスを利用するようになるんじゃないですか」
 自然言語処理の分野では、第一人者であり産総研のチームリーダ兼東工大教授でもある高村大也先生でした。
 自分の視野の狭さをつくづく思い知らされました。

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