電子書籍は売れない、という言葉をよく聞きます。
紙の本よりも売れ行きは悪いし、そもそも紙の本のようなデザインや情緒性に欠けるという問題があります。ある大手取次会社のトップは「電子書籍は紙の書籍の出来損ない」と言ったとか言わないとか。まあ、ひどい言われようです。
しかし、デジタルシフトの本当の意味は、電子書籍が売れたか売れないか、ということだけが重要なのではありません。
文章や図版をデジタルデータ化する、ということは、本に書いてあることはすべて情報化され、データ解析が可能になる、ということでもあるのです。
その本はいつ、だれが買ったのか。どこまで読んだのか、何度読んだのか。ブックマークをしている箇所はどこか、どんな言葉を検索しているのかなどなど、デジタルデータだからこそわかりえることがたくさんあるのです。
その解析データは、ユーザー情報として、次の本の企画に生かしたり、増売計画を立てたりといった、2次的、3次的な活用が可能です。
かつても、今も本を出版するときは、過去の販売データくらいしか活用されませんでした。
今はすでにいくらでも新しいデータを取ることが可能です。
電子書籍の先になるものを見据えながら、私たちは航海を続けていきます。