AIを使って、今、さまざまな検証をしています。
そのひとつが「人工知能は小説を理解できるか」という課題です。
人間は本を読み、そこの書かれている内容を、すべてではなくとも理解することができます。そして、受け取った文章から何等かの意味を見出し、自分の感情や知性や記憶とのキャッチボールを始めます。これが読書だと言えます。
では、人工知能はどのように小説を理解するのか?
この分野の技術は、自然言語処理といわれるもので、第2次世界大戦時代から研究が始まったそうです。最初に対象となったのは翻訳の分野。対戦国の言語をどう理解するか、暗号技術の応用でした。
それが、インターネットの発達で、膨大な数の自然言語が収集され、分析が可能になり、一気に飛躍を遂げたのです。
今回、私たちはある短編小説をAIに学習させ、その成果を検証しました。
詳しい数値はまだ公表できませんが、かなり抽象的なことまで理解していることがわかりました。そして、それが人間の理解の仕方とはだいぶ違うのではないか、という仮説が成り立ちそうです。また、学習速度が異常に早く、これも人間とはまったく違う結果となりました。
その一方で、非常に簡単なファクトを取り違えるということもわかりました。
これはデータセットの仕方が大きく影響するようで、常にチューニングしながら進めています。
今後、どのようなAIエンジンができるのか、今からワクワクしています。