デジタルシフトが進む出版業界で、近年急成長しているマンガアプリ。コロナショックをきっかけにますます存在感を増している。一方、多数のアプリが乱立する中、競争も激しくなっている。特集『コロナで崩壊寸前!どうなる!?エンタメ』(全17回)の#13では、「少年ジャンプ+」と「LINEマンガ」という二つのアプリから、生き残るマンガアプリの条件を炙り出す。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
急成長するマンガアプリ
各社の競争が激化する
いま、マンガアプリ市場が熱い。出版科学研究所の調査によると、2019年の電子コミック市場は2593億円と、前年比で29.5%増と急成長。そうした電子コミック市場のけん引役となっているのが、スマートフォン上でマンガを手軽に読めるアプリサービスだ。
特にこの3月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響による「巣ごもり需要」の増加は、マンガアプリの追い風となった。アプリ分析などを手掛けるモバイルデータプロバイダーのApp Annieのデータによれば、上位のマンガアプリのダウンロード数は3月に急増し、1月比で70%も増加(下図参照)。臨時休校や緊急事態宣言の中、各サービスが人気マンガを無料公開する動きも広がり、利用者は急増した。